2014の残骸/梅昆布茶
僕はとどまりませんこの場所に
常に風化してさらさらと崩れて行く足元
時間というものが上下にあるいは前後に
はたまた螺旋状にきりきりと流れるものかなんて
ぜんぜん解らないのですから
空想のなかで跳ね回るうさぎを追いかけて
物を考えるひまもないのです
僕は戻りませんこの場所には
もう懐かしいものなんてありません
たとえあったとしても
懐かしいものの残骸
僕もつねに残骸になりつつ生きています
ただ総てのものに墓標を建てるわけにはいかないし
自分にも墓標を建てません
いつか業者に頼んでとびきり素敵な墓碑銘を
刻んでもらおうとおもっているのです
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