モノローグ/梅昆布茶
 
空から雫が降ってくる
そんな日がすきだ
同じものがからだのなかにある

こわれた玩具の痛みをしらない街に棲む
風に翻って反転する記憶の陰翳を編む

この電話も壊れてるんだ
だから意味をつたえられない
それでも繋がったきみと話す

空から涙が降ってくる
やさしく切ない水分だ

きみが誰と話し続けているのかは知らないのだが
僕ではないのかもしれない

いつもきみの好みは入れ替わるから
それだけで疲れてしまうこともある

いいさちょっとだけでいい
さほどの努力でもないんだし

何かを高く積み上げることって
たいした意味もないと思うこともあるんだ

改行するたびに歴史が変わって行く
瞬きするあいだに君は飛んで行ってしまうから
捕まえるのに忙しい毎日なんだ

電話は壊れてる
それでも話し続ける

そう
冷めかけたスープと
人生は似ているかもしれないんだ

戻る   Point(11)