指先/梅昆布茶
 
私の指先がたどった夢を
あなたは覚えていますか

それは柔らかな素肌の見る夢です
華やかな衣装の奥にある真実さえも
夢の一部だと想うのです

それで良いのかも知れません
いつも永遠に戻らない一瞬を生きているのですから

夢でも叶わないことばかりです

生きることが
忘れ去られるべき
一瞬への訣別ならば

夢と同然とも想えます

それが人生の本質ではなくとも
それに従うことがより良く生きるための
切ない里程だとしても

あなたの照り映える素肌の眩しさに

かなりくすんでしまった私の人生の

ちょっと哀しい真実であろうとも想うのですから




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