夜。 クリスマスイルミネーション/梅昆布茶
 
誰かさんが
クリスマスイルミネーションをみたいといいはじめる
いまさらロマンチックなんてねえ

ちょっと時間の風に疲れているのかもしれない
どうせなら宇宙のイルミネーションを眼にしたいものだ
北極圏の夜空に浮かぶ裳裾なんぞを

良い時代だともおもう
情報と物理的な距離の柵がかなり取り払われて
それでも心の距離は誰にも測れない

良い世代だったのだろうか
それはわからないことこれからも

けっしてクリスチャンでは有り得ないじぶん
それでもこの季節がさほど嫌いでもないのだ

函館に居た頃
父は内地で働いていて
間借りした部屋で母と姉と俺と
そんな生活


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