風船/nonya
 

君に触れることすらできなかったんだ
僕の内側で
出口を失くしてくぐもった言葉は
僕の内側で
空しく結露するばかりだった

ところで最近の僕なんだけれど
なんだかちょっと可笑しい

どうやら僕の外側の何処かに
ピンホールが空いているみたいで
精一杯張りつめていた僕の外側が
いつの間にやら萎み始めているみたいなんだ

たぶん油断しちゃったんだろうね

少しずつシワシワになっていく僕を
誰もが優しく笑ってくれるから
僕も仕方なく
というか思わず笑ってしまうんだよなあ

あと2〜3年もすれば
僕の外側は
正真正銘の僕の皮膚になるらしいけれど
ちょっぴり淋しい気もするよ

いつかは
破裂してやろうと思っていたのにね



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