ばけもの/凛々椿
てて
僕は退屈な満員列車でいつものように仮想世界を覗き込んでた
ぷつ
ぷつん
まるで縫い糸が切れるように
ぷつん
ぷつ
鳴って
そして僕は大爆発を起こしたんだ気づいたら売女になってたよ
笑っちゃうよね!
そんでもって つぎはぎに塗ってもらった唇で
赤毛のロングヘアを噛み噛みしながら
ぶらーんぶらさげた両目でひとりずつやっつけてるんだー
逃げる首根っこをひっつかんで
もぬけの胴体でね
腕だけはしゃかしゃか動くもんだからみんなけっこう笑うんだよ
突然泣き出すけど
そのたびに思うよああなんていうか
平和だな ってね
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