狩りーぼくらは人間2ー/イナエ
 
人間の住処に入り込んで
人間の保護するツバメの
まだ飛べない幼鳥を盗み取る
怒りに任せて蛇をつかみ

初めてつかんだ蛇
のサラサラした感触
ウナギのようなヌメヌメなど無い

以来 
蛇を捕らえることに熱中した
蛇にとっては迷惑なことか
野生の本能が感じ取るのか
ぼくを見ると逃げる
だが それは
尻尾をつかめと言う合図のようで

逃げるものを追って捉える
それは狩りの基本
逃げられないものを捉えるなど
狩りの堕落

狩った蛇は宙へ飛ばす
身体をくねらせ宙を泳ぐ姿は
竜の昇天
 (「聊斎志異」には蛇が龍になって昇天する話はよくあること)

それでもぼくは祈るのだ
鳶に見つからないようにと

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