夜警/斎藤旧
ぱくりとくわえて梟は滑空する
鼠をさがして、目を凝らしている頭の上は
(星々が降り注ぐ)
『口にひろがるしお味は
あの子の恋しい気持ちから
しおからさをもらっているので
きっとあの子は蒲団の中で
おでこを撫でられながら眠りにつくのでしょう』
賢い梟は舞い上がりながら言った
流星群のうちのひとつになったかのように
しかし夜に向かっていくように
夜は歓喜している。
世界を縫い上げて、生まれた今宵
きらめきを追いかけるように
北極点から落ちてゆく星々
梟の一声を聴いてあなたは、きびすを返した
慌ててならうわたしにあなたは言った
『あの子の涙は、流星になって夢を駈けて、そうしてあの子のところに帰ってゆくのです』
戻る 編 削 Point(2)