夕焼けの海/
ゆきむし
海岸線
寝惚け眼でうねる海を見ていた
夕暮の陽射しが一面焼き尽くし
やがて静かな夜を産む
汐風を受けた髪にも漆黒のそれは宿る
産まれたかったあらゆる命が波間に犇めき押し寄せるから
わたしの左胸は潰れそうにいっぱいになる
血管の中にも海は流れ込み
身体中駆け巡る
もうじきわたしは秋を産むだろう
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