親愛なる詩人達へ/ヒヤシンス
 
とした砂の都であった。
そこには全てを潤す泉があった。

泉に顔を近づけるとその中に美しい地球が映し出されていた。
それこそは我らの生命の輝きそのものであった。
私も若い旅人もその輝きに魅了されたのだ。
生命の輝き。魂の輝き。生の煌き。
その時私の生命の光が再び灯り始めた。

我が半身は既に分かっていたのだ。退屈の意味を。
そして最後の手紙が来た。
我々は最後の泉を飲まなければならない。
なぜならそれが一番旅人の喉を潤すから。
その泉の名は「忘却」という。

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