空っぽの 月/西日 茜
 


瞼をすっと閉じて そのままパタリと倒れ

動かなくなってしまった


とても残念だった

私は いつまでも あなたを眺めていたかったのだが

この手で抱きしめたいなどと思ったものだから

何か無理が起こってしまったのかもしれない

今は、箱の中にいたあなたのことを考えながら

空っぽになった箱を夜の月にかざしてみている


美しい 夜  空っぽの 月

ふとあなたの気配 静かに風が吹き抜ける
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