空っぽの 月/
西日 茜
瞼をすっと閉じて そのままパタリと倒れ
動かなくなってしまった
とても残念だった
私は いつまでも あなたを眺めていたかったのだが
この手で抱きしめたいなどと思ったものだから
何か無理が起こってしまったのかもしれない
今は、箱の中にいたあなたのことを考えながら
空っぽになった箱を夜の月にかざしてみている
美しい 夜 空っぽの 月
ふとあなたの気配 静かに風が吹き抜ける
戻る
編
削
Point
(5)