空飛ぶねずちゅう/
ドクダミ五十号
「不細工だけど可愛い顔してるぜ」
「ちゃんと腕なんだな」
私は即座に保護を選んだ
瓦の下は多くの場合
土で下地が作られる
現代ではどうか知らないが
土ごと巣を採って
飯場の二階に
そうして空飛ぶネズミは保護され
飯場の人気者になった
慣れるものかと言う人もいたが
それを否定する様に
疲れて帰った人を慰める
時には肩に止まりもする
誰かが言った
「こんな小さな命だって慈しみが分かるんだな」
私はそれを聞いて格好悪いが涙した
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