今年も/ドクダミ五十号
されるが
それは生を欠いているからだろう
和食の膳にては
最も欠かざるべき脇役として
飯の隣に小鉢にぽつん
梅干しがあるのが好ましい
もちろん自家製の物である
西洋人には理解不能だろう
梅とプラムを混同するくらいだから
今年も日にさらされて
私の梅干しは完了する
恐らく私が死んでも
梅干しは腐敗せず
その魅力を発するだろう
棄てられなければの事だが
遺書に記そうかな
「梅干しは誰でも良いから味わって下さい」と
酸っぱく塩っぱい梅干し
季節を保ちつつ
それを超越している
私はそれを愛しています
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