三分の一神/
フユナ
私に似ている
驚くほどに
夕陽は
血脈のように赤く
深い
取り払おうとも
ひげ根のように体中に渦巻く
取り残された私
の中に
三分の一
一人はもう神様になった
海の向こうから
似ている顔は一人で十分と
いつも私を追い払う
だから私も
海際に立っていようか
私と似ているあなたが
私と似ていると
言われ続けるあなたが
深い深い海原
体中に流れる夕陽に
目を向けずにすむように
彼岸と此岸の
ここは真ん中
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