刹那/ウデラコウ
 
もってかえってしまって構わないから

どうか 君だけは 変わらず 笑っていて欲しいと

誰もいない 横須賀線のホームで

薄い 蛍光灯の下

君が好きだと 叫んだら

もうとっくに
暖かいところへ 帰っているはずの君が

ふいに僕の目の前に現れて
微笑んで くれやしないかと

なんとも都合の良いことを 真剣に祈ったりして

酷く 酷く 僕の心は
不安定のまま
刹那に見せる 君の色々な表情が
僕をさらに 不安定にさせる

無防備なその左手が
僕の横を行ったり きたりするのを
ただ 眺めているだけで良かったのに

今じゃもう どうにかして
それを
[次のページ]
戻る   Point(1)