一蓮托生/
千波 一也
その一滴を
くちびるに運んだならば
あなたもわたしも
同じ生きもの
潤いの程度に差はあれど
却ってそれが
証になる
あなたとわたしを
等しく結びつけられることの
証になる
見つめずにおきなさい
正しさとやらを
見つめずにおきなさい
誤りとやらを
数えていなさい
自然ななりゆきだけを
訪れを
悪意なき保身のために
常に
凛とあれ
汚れしらずの
汚れにその身を抱かれて
瞬きの間も
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