サイクル/桂
瞼を閉じてあの日見る
透き通った青空
その美しさを挑発するかのように色とりどりの羽を魅せびらかしながら飛び回る鳥たち
雨上がりぬかるんだ地面には大小様々な足跡が残る
彼らは魂尽きるまで その喉を震わし
僕らは打楽器を叩いてささやき声一つしない宇宙にこの星の豊かさをしらしめる
瞼の向こう側には戒めのように不毛な大地が永遠に続いている
自由になった手で僕らは あれもこれも持ちすぎて ついには友の手を手放してしまったのだ
もしも彼らがもう一度手を差し伸べてくれたならー
そんな願いを唱えながら そっと目を開く
溜まっていた涙が涙腺に押し寄せ頬をつたった
視線の先には ひび割れた大地からたくましく芽を出す双葉
とめどなく流れる嬉し涙を両の手に溜めて
たなこごろで作ったジョウロから 水を差す
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