サカテカスの殺し屋/オダ カズヒコ
 
眼下に広がり
まるで中世のヨーロッパを思わせるのに

そう さちが思ったとき
部屋のドアが ガンガンって
けたたましく鳴った
風かな?
なんて思ったけど
そんなはずはない

さらに何度も 何度も強くドアを叩く音がする
「誰?」
さちは恐々と声に出してみた
よくわからないスペイン語で
少年らしいその声の持ち主が 何かを叫んでる
さちはゆっくりとドアを開けた
ん?
誰もいないじゃん・・
そう思ったとき
冷たいものがさちの首筋に触れた

「アミーゴ おとなしくしな!」

背の高い男がさちの背後にまわり
ドスの効いた声で彼女を脅しつけ
首にアーミーナイフを
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