サカテカスの殺し屋/オダ カズヒコ
眼下に広がり
まるで中世のヨーロッパを思わせるのに
そう さちが思ったとき
部屋のドアが ガンガンって
けたたましく鳴った
風かな?
なんて思ったけど
そんなはずはない
さらに何度も 何度も強くドアを叩く音がする
「誰?」
さちは恐々と声に出してみた
よくわからないスペイン語で
少年らしいその声の持ち主が 何かを叫んでる
さちはゆっくりとドアを開けた
ん?
誰もいないじゃん・・
そう思ったとき
冷たいものがさちの首筋に触れた
「アミーゴ おとなしくしな!」
背の高い男がさちの背後にまわり
ドスの効いた声で彼女を脅しつけ
首にアーミーナイフを
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)