ただ老いて死ぬ事/yamadahifumi
 
死ぬという事実を覆してあまりあるものではない

だから、今、私は普通に死んでいく

古代人がただ野垂れ死ぬのと全く同じ死に方で

そして、この近未来的社会は私の死を様々なイメージと概念で覆い隠してしまうだろうが

しかし、今、私はみすぼらしく、切なく、一人孤独に死んでいくのだ

だから、私は今、現代人が馬鹿にする、昔ながらの宗教を信じながら死んでいこう

そう、私が死んだら、私の魂は天上へと昇る

私が生前に成したその努力に比例して

私はそう信じながら、一人ただ愚かに死んでいく

誰にも看取られる事なく、一人で

そして、それこそが

私の終生の願いであった
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