17歳だった/サトウチカ
は年を取ることを特別なことだと信じるの
どうしてそのつど新しいスタートを切りたがるの
17歳のあたしにはわからない
きっと誰にもわからない
むきだしの自意識で傷つけた自分を慰めるのが好き
知ったようなことを言って見透かしたふりをするのが好き
あたしは正しい、間違ってる、正しい、間違ってる
もうぼんやりとしか思い出せないテレビの向こう
消えて行った異国の少年に問いかける
あたし間違ってる?
一人じゃ何も出来なくて、哲学することだけが立派だと信じている
全てから目を逸らすあたしは不健全ですか
だからいつも願ってるよ
たった一人の
たった一人でいてくれる神様に会いに行きたい
強くなれるよって頭を撫でて
変わらないよって抱きしめて
あたしだけを愛してほしい
必要なんだ
必要なんだよ
強い言葉沁み入る言葉溶かすほどの言葉
あたしはいつか私になるから
すべて受け入れることが大人になることだと思い込んでいた
一人で向き合うのは怖かった
17歳だった
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