漂流物/番田 
 
誰もいない
風がいつも吹いている 
そして 風が そうおもうときに 
寂しく肩を 通り抜ける

そして ページをめくる 
いつも 誰もいないから 本を読んでいる
僕がそこにいる  
薄くて寂しい本を読む白いイスの上に



それはなぜだろう
そんなふうに思う理想の自分であることを 
通り過ぎる誰もが胸に抱いているように 
歩き出すだろう 長く遠い道のりを

風が吹く 自分が
何もわからないのだということを理解する そして
理解している 僕が
流されている 白い 海岸線を
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