貴女は死、夜の眠り/凍月
 
流れた
   軽くて冷たくて華奢で柔らかで
  僕は溶けて融けてとろけて
 ただ、幸福で心地良かった
貴女は僕を抱き締めた
 本当に冷たかった
  僕の生きているという熱が
 君の極限に優しい冷たさで薄れ
最後には、同じ温度になった

とても、心地良かった

震えそうなくらい……


あぁ……君の名前は……聞けなかった…けれど…多分分かった………君ともっと…話して…おけば……良かっ…た……な……………
…………君の名は……………




 「おやすみなさい」
と君が言った声がした気がした


黒い夜の雲が晴れ
三日月が世界を包んでいた





戻る   Point(5)