貴女は死、夜の眠り/凍月
流れた
軽くて冷たくて華奢で柔らかで
僕は溶けて融けてとろけて
ただ、幸福で心地良かった
貴女は僕を抱き締めた
本当に冷たかった
僕の生きているという熱が
君の極限に優しい冷たさで薄れ
最後には、同じ温度になった
とても、心地良かった
震えそうなくらい……
あぁ……君の名前は……聞けなかった…けれど…多分分かった………君ともっと…話して…おけば……良かっ…た……な……………
…………君の名は……………
「おやすみなさい」
と君が言った声がした気がした
黒い夜の雲が晴れ
三日月が世界を包んでいた
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