空の白クマ/鈴置友也
 
それはどんちゃんのいたずら
やぶのなかで蜘蛛の巣をかぶってしまったら
それはどんちゃんの挨拶。
命日にはかならず雪が降るって雨粒はいう。

「でもそれはいつなの?」

たずねると雨はやんでいて
やっぱり空にまっしろい雲がうかんでいる。

(ほら、天気雨にはね。きつねの嫁入りがみえるっていうでしょ? それなら
雨の日に白クマが見えたって いいよね?)

「そうだな。白クマでもいたらなあ」

部屋に戻って
テレビを点ける。

コカコーラのクマはあいかわらず元気そうだ。

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