vibgyor七重奏/凍月
 


君はきっと
僕より良い人と友達なんだろう
君はきっと、僕だけを愛さない
夏の木々
蝉の潜む重い重い緑
君の好きなものに
君と話せる全ての人に
僕は嫉妬する
僕は羨望する、特別を
君は僕を見てくれているけれど
この生い茂る葉より深い嫉妬が、緑

君が僕に気付くと
僕は慌てて目を逸らした
君が視界の切れ目で微笑んだ気がした
咲き誇る向日葵、僕は彼らみたいにはなれない
好きな人を直視する勇気も
話をする勇気も無い臆病者
ここで立ち止まったまま
僕はきっと前に進めない
自分でも分かってる
だけど僕は臆病者の、黄色

橙色の太陽の眼差しに目が眩む

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