PMT/ねなぎ
 

揺られていた

一定に振動が
波のようになり
式の上では
自分も波なのだと感じ
観測されなくては
質量さえ消えてしまいそうで
窓に映る
自分を眺めて
浜名湖あたりで
増幅される真空中の光を
電界に変えるように
気づかない不利をして
名古屋に着いたら
目を反らせなくなっていた

シュレディンガーの言うように
猫が家路を帰れなく
なってしまうように
何もかもを
すり抜けていく
特異点と次元
転移する空間の
二重微分を
マトリクスで解く事を
恐れて
時空移動のエネルギーが
宇宙の総エネルギーを
超えると
下呂にて思い直し
高山にさしかかり
[次のページ]
戻る   Point(3)