ナニカ/草野大悟2
 
君、どうなんだ?」父親が語気を荒げて訊ねた。
 野津は、覚悟を決めた。
「本当です」
 二人は顔を見合わせた。
 長い沈黙の後、父親が重い口を開いた。
「君もよく知っているように、私達は二人とも教師をしている。今日の取材は近々メディアで流されるだろう。そうなった場合、私達が受けるダメージは計り知れないものがある。健一君、今日この場限りで君との縁を切らせてもらう。今後、私達家族と君の家族とは赤の他人だ。こちらから連絡はしない。もちろん、君からも連絡しないでもらいたい、いいね」
 黙り込んでいる野津を残して、二人は理沙の遺骨をいとおしむように抱いて帰っていった。
 次の日から、テレビのワ
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