ナニカ/草野大悟2
 
とないじゃん。なんで俺と一緒になろうなんて思うわけ、わけ分かんないよ俺的には」
「学生時代は、私どちらかというと女の子の方に興味があったのね。でも、男の子が嫌というわけじゃなかったの。卒業して野津君と離れてみて初めて気づいたんだ、野津君のこと大好きだって。自分でも知らないうちにその気持ちが大きく膨らんできて、もうこれ以上誤魔化し効かなくなったのよ。だから今日電話したの」
 身動きできない虫のように全身固まっていた野津は、辛うじて言葉を発した。
「そ、そこまで言うんなら、今から俺と寝ることだって構わないわけだ」
「そうよ、構わないわ。両親が異動で家を離れているから今自宅には私一人しかいないの
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