すがすがしさとはまた違う、小さな風が吹きさった屋上の物語/チャオ
歩き出した足は、寒さに震えている。駅までのわずかな距離が、ルーティンな明日を象徴する。
だけど朝が、あふれ出した、そのときに、君の歌声が聞こえたなら、フラッシュに秘められた、小さな欲求に、微塵の幸せが記されていること、それだけはしって欲しい。永遠にやってこないかもしれないその場所は、干からびた、小さな胸を、死滅させるかもしれない。それでも、それを願うことは、そこに、君の、何か、得体の知れない、喜びが、ある、から、なのだ。
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