池袋 二十歳/馬野ミキ
 
右手ににらみを効かせるような・・
だが俺は若かったので可愛がられた
俺が普段歌っている場所に他のストリートミュージシャンが歌いに来ると(今の喫煙コーナーの辺りか)
そこはあんちゃんの場所だからどけ!と勝手に場所取りしてくれるような。
いいんですよ誰の場所でもないからと俺が間に入ると
他のおっさんに「ああいうやさしさは受け入れておくものだぞ」と小声でいわれたのを今でも覚えている。

とにかく暇だったので歩いた
猫は水商売の女に盗まれていた
朝が来るまでいけるところまで歩いた
建物があるとその建物を避けて通らないといけないのが当時の疑問だった
道がなめられている気がした
なぜ無断で入ってはいけない地上があるのか
見知らぬ公園のすべり台にたたずで夜空を見上げる
深夜徘徊は夜を支配している気がする。
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