バラバラ死体/為平 澪
私のバラバラ死体が
見つかった
右腕は質屋に
売り飛ばされて
父の腕時計をしていた
切断された下半身の両脚は
駅で発見された
見つかるのが遅かったらしく
腐乱したまま
母のサンダルを履いていた
胴体は部屋のベッドで
頭の帰りを
期待していたが
私の両目が脚と腕を
捜そうとしたのか
見開いたまま
仏壇に供えられていた
服には「家」とかかれていて
どうやら くり貫かれた
心臓の家出届をだしていた
捜索願をだした 屋敷には
九十九神たちが
淋しいと 泣いて
待ってるらしい
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