小屋/草野大悟2
立ち上がり、ありがとう、と頭を下げ小屋から出ていった。そのすぐ後を、頭蓋骨の陥没した彼の影がついていくのが見えた。彼はもうこの小屋には来ない、この世の誰も、二度と彼に会うことはできない、そう感じた。
後片づけをしながら、そのことを清田さんに話した。それに、毎年、元日に現れるあの男のことも。
日ごろめったに口を開かない僕が話しかけたものだから、清田さんは少し面食らって
「えっ、ああ……、あたしもねぇ、あの爺ちゃんのことは気になっていたよ。そう……そうだったの」
ため息まじりにいった。
そして、こう続けた。
「その元日の男ねぇ、一人思い当たる男がいるんだ。あんたがこの小屋に来る一
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