山小屋の夜/蒲生万寿
定して
この宇宙空間の中で考えると
街中の人の目ん玉も星のように思えて来る
無限の宇宙空間が制限だらけの生活空間にとって変われば
私も二つの星を持った小さな宇宙にも思える
空を見上げる私が
地を見下ろす星が
互いに互いを見ている
地球を含む太陽系は
銀河系の中に位置し
私たちは内側からこの「天の川」銀河を見ていると
以前、雑誌で読んだことがある
規模の違いを取り払い
私が自らの概念を捨て去れば
自ずと宇宙の気配が満ち足りて
ここに現れる気がした
そこで「私も宇宙だ」と誰に告げるともなく
独り言ちてみる
人工の光乏しく暗いこの山小屋のテラスで
私
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