風景/梅昆布茶
 
生きるたたずまい
気配だけではない
所作もふくめたその人の
生活感の座り具合とでもよぼうか

こころにはかたちがない
言い換えれば生きるエネルギーが
そのまま立ち居振る舞いとなって
表にみえてくるものだ

それは気付かないままに
それぞれが発している
生の信号なのかもしれない

見える見えないにかかわらず
変化しないものはない
もちろんひとのこころも例外ではない

こころをつなぎとめることはできない
かたちが無いものに鎖はつけられないのだ

光の当たり具合によって
風景の輪郭が変化してみえるように
みえないところでひとは
刻々と変化してゆくものだろう

でもその奥にあるたたずまいを
僕はそのひととして感じていきたいのだ

そしてそれがとらえにくいこころの
うつろう陰影を映すそのひとの風景で
あろうかともおもうのだ

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