ハオルシア オブ ツーサ/衣 ミコ
も覚えてる
君より覚えてる
それから長い月日が経って
それでも地平は世界を二分したまま
君はまだ泣きやまなくて
僕は途方に暮れたまま
*
(
すべての物語がひとつの解を出す為に紡がれてきたのなら
)
*
一番早くに鍵を見付けたのはハオルシア、君だったね
巨大化した石像の並ぶ地上で
子供たちが暴いた大き過ぎる穴
右回りに針を正した時計の先のひとつ星
見上げれば公然と輝く秘密
(打ち明ける、打ち明けない、打ち明けない、打ち明ける)
夜更けの暗闇の彼方で
鳴いているのもまた大鴉
恐ろしさに目蓋を閉じても逃げられないなら
前を向いて
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