しんしんと夜/
梅昆布茶
遠に不可視な
曇りガラスの向こうならば
今を研ぎすませばいいさ
それだけのこと
あいかわらず俺たちは
渇いた道を迷うヒッチハイカー
とまる車なんて皆無だぜ
一角獣の夢のなかで
あいも変わらぬ戸惑いを隠せもせず
今というものを
きちんと踏みしめず
ふわふわいってしまおうか
この世界の一部であるという
認識もなくまた一角獣の
夢のほとりを彷徨う
この夜のように
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