しんしんと夜/梅昆布茶
 
しんしんと夜の降り積もる
時計の針をすすめているものは
いったいなんなのだろうか

森深く一角獣のみる夢が
遠く聴こえる気がする
こんな夜にふさわしい響き

一角獣が問う
あなたの角はどこに

いや僕たちはそれを持たない種族
夢を感知するアンテナの無いワンセグチューナー

明日の預言にこころを奪われて
今日の自分さえも知らないんだもの

浮気な未来は
乾いた手のひらから
さらさらとこぼれおちてゆく

絶望という
大切な荷物も担えない僕らは
いつか失速してしまうのだろうか

昨日を失っても
今という場所は
必ずいつもあるものだ

明日が永遠に
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