代替えれじい/ねなぎ
 
目の端で捉えて
黙々と回す
首からのタオルが
水分で重くなり
全身が滑るように
じっとりと流れるように
髪の毛の先から
零れたコンクリートが
染みとなっている
呼気の音と
こめかみの脈打ちが
周期となる

これにより新たな雇用と労働の確保が必然的に生み出され

グローブの掛かりを
確かめるように
休憩のブザーを待つ
曇る時計を
確認しながら
意識が乖離していく
車軸の回転と
擦れる金属のチェーンの
音だけが響いている
周りからの作業音で
自分の鼓動が
掻き消されたように
そして
器械の一部のように
歪んでしまったような視界と
塩っぱさの重
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