処方箋/千波 一也
 

弱々しい泣き声を自粛して
見上げる空に満ちるのは
サファイアの海

誰のものとも分かちがたい記憶の潮に
わたしは鼓動をそっと浮かべる

きれいな言葉も醜い言葉も
燃やしてしまえ、落日よ

思うほどには
わたしはわたしを拒絶しないから
自制の瞳はクリスタル






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