ツーユー・ビート/なけま、たへるよんう゛くを
 
延々と
延々と
泣いている者がいる
人工(ジンコウ)の芝の草原(クサハラ)や
五十( イソ )の昔の瓦家(カワラヤ)や
使徒( シト )の躰の石棺(セキカン)や
閃光(センコウ)の鉄の全席(ゼンセキ)や
硝子( ガラス )の塔の高層(コウソウ)や
樹海(ジュカイ)の島の神木(シンボク)や
街灯(ガイトウ)の線の都路(ミヤコジ)や
死体(シニテイ)の魚の売買(ウリカイ)や
電波( デンパ )の柱の亡骸(ナキガラ)や
そこなここなに泣き水落ちて
全ての涙の打てる音の
刻印の隣の立つ人の
遥かに高い空の上
延々と
延々と
泣いている者がいる

けれど夏の準備なのだ
来る年にも来る年にも
要る涙なのだ

気付くと愛しい体温は空を泣き晴らし
今年も思い出す
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