ピンで押された姉妹たちへ/凍湖(とおこ)
 
いくつかの、一生残るであろう光景に
思いかけない人たちが
私の時間に押しピンを押す

押しピン毎に私は分裂する。殖えていく
過去に縫い止められたわたしと、否応なしに流れていく私

青いまま、離れていくばかりのわたしたちがいつまでも
私を見つめて
あの頃の言葉をささやいている

いつか、停まったままのあの子らを抱きしめ、こたえてやりたい
最も親しい姉妹として

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