はためくもの/山田せばすちゃん
 

ほんとうに
寝転がって空を見ていると
そのまま空に向かって落ちていきそうな
青い空の下で
五色の旗はちぎれそうにはためいているのさ

風の音しか聞こえない

片言のネパール語しか話せない僕の中で
こみ上げてくるたくさんの言葉
たくさんの意味
でもそれも強い風の中では
砂よりも軽く飛ばされていってしまう

静かな静かな日々

そこにあった詩は
言葉や思いなんかじゃなかった
回りつづけるマニ車
ただ風にはためく
五色の旗
そして




すべての生はここからはじまり
ここへかえる

はためくものの元へと


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