宮澤賢治に寄せて/嘉村奈緒
(抜粋)
まことのことばはうしなはれ
雲はちぎれてそらをとぶ
ああかがやきの四月の底を
はぎしり燃えてゆききする
おれはひとりの修羅なのだ
本のタイトルにもなってる「春と修羅」です。この詩は、言葉が次から次へと畳み掛けてくるような感覚になる。情景が続く詩は実はちょっと苦手なのだけど、やっぱり音がいいせいか、さくさく読めますよ、これも。少し長いのだけど、とりわけこの部分が素晴らしいです。「おれはひとりの修羅なのだ」なんて書けませんよ!書けやしませんよ!!四月の底って!はぎしり燃えてって!ギャー!!
あとこの詩のすごいところはですね、
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草地の黄金をす
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