ホローキャンディ/比良末潮里
 
、マリア様になりたくて祈る。

絹糸で織られた美しい布にくるまれて、やってくる万に一つのベイビーを待ってる。

狂おしいほどのファンタジーの中、今度はおはじきを口に頬張る。
カシャカシャと音をたてて、歯に当たる。

本当はひとつも味がしない。

本当は、何も意味が無い。

ただ、かたいだけ、ずっとずっと
かたいだけ。

そして、ただただ美しいだけ。

色とりどりのホローキャンディ、
幾つも幾つも舐めて回して
一体これはいつ終わるんだろ?

空しさで、
いっぱいなのに。

色んなことが限界なのに。


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