一行の夢/ハァモニィベル
*
キリストが、エレベーターの「開く」ボタンを押したまま待っている。
*
一行の人生が、いま、谷底へ向かって続いている。必死で、句読点にしがみつく。
*
砂漠で数え切れぬ砂を数えている俺。古代の王たちが死んだ眼差しでそれを見てる。
*
【一行*詩】
*
焼却処分された愛が、世界を吹き飛ばしてから、消え失せた空の消息は、神すらも知らない。
*
自身の手のひらを見つめる時、自己の運命の行き先はそこにある。
*
(いま、世界を括弧に入れて持ち歩いてる。)
戻る 編 削 Point(3)