郊外/織部桐二郎
 
残雪の道凍りつつ
晩冬のいともきびしく
行人だちはひたにもだせり
ふと町猫のゆき過ぎぬ


街道に樹木つらなり
冬芽ゆたけく小草睡れり
むら鳥の地啼ほぬかに
翠なす春とほからじ


房室にモオツァルト
フルート楽に酔ひしかば
心に充つる魂の声
あなすみれ草恋しかり
野辺かけてうた詠はめや
戻る   Point(0)