きりん/リレー詩/こうだたけみ
 
その草も悪くないって。きりんに食べてもらえる草になりたいとさえ思ったりするんだ、ビールでも、どう?

ソコハ麒麟ナンジャナイ?
おうむ返しに栓を抜けば溢れだす笑い声
爪楊枝から割り箸まで使いこなす春の宴、あるいはゲルギエフ
霞か雲か泡ばかりだってきっとおいしい

「雪ってさ、音を吸いとってしまうんだって。だから雪の日は静かなんだね。よかったら筆談しない?」って、ふたりで走り書きした冬のノートの余白に、春を足してみたいので、ソメイヨシノの下で待っています。

あの冬の一ページから首をきりんにして待っていてくれた人
ふたりの想像上のいきものは鳴くよ
リリックリリック スイヨウビノカドヲマガレ
かけだす足がはだしになって、ピンクの花びらとサバンナの草原に触れた


奇数連:阿卜理恵
偶数連:こうだたけみ

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