掴みかけた友情/北村 守通
 
ゃれ
  次に
    買い物袋を嗅ぎ
  そして
  もう一度
  頭上の視点を確認し
  後ろ足を
  蹴り上げる

やわらかい毛だ
まんまるい眼だ
掴みやすい首輪だ
軽い身体だ


こいつを
そのままぶん投げたら

どこまで飛んでゆくんだろう

れとも
キラキラ輝く
アスファルトに叩きつけたら
どん
なやわらかい音が
聞こえるのだろ う

静かに渦を巻く
粘度の高い欲情に
指先が震えかけたとき

  やっぱり
  そいつと目が合った

その眼は
丸い
この世で一番
まんまるい

  そいつが

キラキラ輝
[次のページ]
戻る   Point(5)