通りすがりの/深水遊脚
この言葉が何より先にでて
そのあとに即興でなにかを投げて
返ってくるなにかをみる
余韻を残すことなく消える
あとで語られないように
いま要るだけの言葉が
あなたのすべてであり
わたしのすべてであるように
覚えておいてほしいものに限って
あなたは忘れるだろう
忘れてほしいものに限って
あなたはツイートしてばらまくだろう
いずれにしても
わたしはそこにいない
憧れは侮蔑に代わり
侮蔑は嫉妬に代わり
やはりあなたはなにも知ることはなかった
欲情をファイルして
好きなときに取り出しては愛でる
記憶はどこまでもあな
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