海を見る/梅昆布茶
 
セアニアやジブラルタル海峡

南十字星やカノープス
こころはいつも成層圏を
旅していたのかもしれない

音楽はあるいは詩や文学は
生命を紡ぐ糸なのかもしれないとおもう

様々な縦糸横糸の格子に
僕たちの日々の生活や感情が展開されて
唯一不二の模様をなす
まるで雪の結晶に永遠に同じ形が無いように

たとえばブルースのインプロビゼイションに
撃たれる僕はよく深さもわからない進化の系統樹のなかで
やはりアフリカの母の血に繋がっているのかともおもう

歌舞伎や能楽
伝統的な様式美
それも素敵なのだ

すべてに意味がありあるいは無くても
あるいは徒労の集積だとしても
たぶん生きてゆく

もうロックンローラーにはなれないが
僕であることはできるとおもった
それは僕でなくなることかもしれない

海を見た日
僕は宇宙に繋がっていた

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