雷魚の託宣書/
湾鶴
目蓋のスクリーンに映る
真綿の円
闇にヒラク
雷魚が迷う 落ち着いて
すべての道は 雷魚の尾鰭のあとにつづられ
ゆるやかに くせのない書となる
ハンバーガーのように 同じ味の道
たぶんうまいのであろう よく見ている気までしてきた
御手本のように 水平点線で仕切られ
それを振りほどきながら
漂う雷魚
目蓋からこぼれてゆく波線
みつめているとムショウに垂涎してきた
蜂色蛍光の下を潜って
「今なら半額を食べぇいってくるわ。」
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